生涯現役

私はこれまで長年、ろうさい病院に身を置いてまいりました。関西ろうさい病院に8年間、岡山ろうさい病院には24年間勤務し、その後ご縁をいただいて、現在は理学療法士養成校「倉敷リハビリテーション学院」に勤務しております。今年で早くも11年目を迎えましたが、今もなお継続してお世話になっております。

振り返ってみますと、私は「人に教えること」「人から学ぶこと」に強い情熱を抱いてきた人間だと感じております。もともとは医師を志し、国立大学の医学部を目指して長い浪人生活を送りました。浪人生活の後、1980年に九州リハビリテーション大学校に入学し、多くの著名な先生方にご指導いただき、幸いにも1983年に卒業しました。

そして同年4月から関西ろうさい病院に勤務いたしました。ろうさい病院時代の思い出は、今でも次々と思い出されます。九州リハビリテーション大学校閉校の年には、岡山ろうさい病院で最後の実習生を受け入れました。臨床実習指導者の集う会議には、各病院から約50名の指導者が一堂に会しました。自己紹介の際、最後に私が立ち上がったとき、九州リハビリテーション大学校の先生方が前方に一列に並んでおられましたが、その中で恩師である橋元先生だけがすっと立ち上がってくださり、私の話を頷きながら聞いてくださったことが、何よりも嬉しく、思わず涙が出たのを覚えています。会議の後、橋元先生のもとへ伺い、「私は鍼の免許を取るために、関西ろうさい病院で働きながら夜間学校に通いました」とお伝えすると、「知っとるよ」とおっしゃってくださいました。橋元先生の深いご理解と温かさに、改めて感銘を受けました。

これらのご縁や経験を通じて、現在は倉敷リハビリテーション学院において、理学療法の知識や技術だけでなく、人間性の育成に欠かせない「感謝」や「感動」の心を大切にしながら、熱意をもって学生指導に取り組んでいます。

そして最後になりましたが、現在勤務する倉敷リハビリテーション学院においては、弓掛学院長に、言葉では表しきれないほど日々お世話になっております。学生との関わりにおいても数えきれないほど助けていただき、感謝してもし尽くせません。これからも、倉敷リハビリテーション学院の教員として、命ある限り、情熱をもって教育に取り組んでまいりたいと考えております。

理学療法学科 専任教員 川本直起